シープドッグ・シアターの『ロミオとジュリエット』は、シェイクスピアの代表的な悲劇を、東洋と西洋の衝突が緊張と変容の背景となる、1860年代の日本という活気に満ちた、しかし不安定な世界へといざなう。
急速に変化する横浜の街で、西洋の外国人であるロミオと、伝統に縛られた日本人の少女ジュリエットは、互いに抗いがたく惹かれ合っていることに気づく。2人の関係は、新旧の対立に悩む社会のなかで繰り広げられ、若い恋人たちは逆境をはねのけ、一緒になろうと決意する。
この作品では、文化的統合の課題や、社会の垣根を越えることの個人的な代償を深く掘り下げ、時代を超えた物語に斬新な視点を与えている。シープドッグ・シアターの『ロミオとジュリエット』は、禁じられた愛の悲劇をとらえるだけでなく、アイデンティティ、伝統、変化という永遠の難問に語りかけている。